心の中にはいつもキミがいた
「あ~、俺・・・・・・もう好きすぎて、どうしよう」
「私だってどうしよう。そうちゃん、かっこいいし優しいし、大好きだよ!」
暑い暑い夏休みの教室で、甘い会話をする俺と紗希。
まだまだ始まったばかりの俺達の恋。
長い長い片思いだと思っていた俺の恋は、実は両思いだった。
離れていた時間はすぐに埋まり、俺とキミはあの頃のように言う。
「そうちゃん大好き」
「紗希、大好き」
受験だって、何だって乗り越えような。
ふたりで頑張ろうな。
高校が離れたって、関係ない。
お互いを尊重し合い、いい関係を続けて行こう。
「そろそろ戻るか」
「そうだね。明日も来るね」
ひんやりした廊下を歩く俺達は一瞬だけ手を繋いだ。
「ずっと俺、好きだから」
「私もだよ!」
「大事にするから」
「約束だよ!」
小指を絡ませて、指きりげんまん。
「来年の盆踊り大会は一緒に行こうな」
「うん!花火見ようね」
「金魚すくいもやろうな」
「約束だよ!」
キミは約束が好きだ。
「ああ、約束な」