心の中にはいつもキミがいた
噂
「ゴール連続10回決まらなかったヤツは、好きな女子の名前言うこと」
わけわかんねーよ。
鬼教師は、毎回そんな罰を用意して、それをケラケラ笑って部員達は喜んだ。
ゴール10回なんてちょろいもんだ。
好きな女子の名前なんて、絶対に言わねーから。
こんな場で言えるような軽い気持ちじゃない。
本気で・・・・・・俺はキミが好きだから。
「おい、今日どうした?」
部活内では一番ミスのないはずの俺が・・・・・・1発目からミスをした。
外した。
「壮太~、壮太がミスった~!!」
「好きな女子~!!好きな女子~!」
ガキが・・・・・・
何盛り上がってんだよ。
「好きな女子とかいねーし。興味ねーし」
「嘘だ嘘だ!3組の柳本そのかと付き合ってるって噂聞いたぞ」
余計なことを言ったのは、お調子者のタナケン。
田中健太、通称タナケン。
「付き合ってねーよ、ば~か!」
「知ってるぞ。告られたんだろ?」
タナケンは、柳本そのかと同じクラスで何かと情報を流しているらしい。