REKKA~深紅の反乱
ゆっくりした、大きな歩みで、こちらへ来る。

見惚れるほど、優雅な動き。

その目が、烈花を捕らえた。

怖い。

身体の芯が、身震いした。

今度は怖さで動けない。

けれど、目もそらせない。

数歩で彼は近くにいて、そばに座ると流れるような仕草で烈花の手を取った。

怖さで身体が凍り付いていたので、されるがままだ。

けれど、彼をじっと見つめていたので、その瞬間、がしっかりと見えた。

彼のその顔が、雰囲気が、豹変したのだ。
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