ラフ
次の瞬間、私はびっくりして飛び起きていた。昨日会ったばかりの人のとこに泊まって、何でか一緒に寝てた。

自分の酒癖が、こんなにも悪かったのかと思うと、かなりショックだ。


しばらくお酒は控えよう、うん…(涙)


リビングで、泉が入れてくれたコーヒーを飲んだ。
ズキズキする頭の痛みは、お酒のせいなのか、自分の置かれている状況のせいなのかと考えると、余計に痛くなった気がした。

コーヒーを飲みながら、泉から、昨日のことを聞いた。

「で、奈緒がもう寝る時間だって言い出して、寝るの?ってきいたら」

「うん」

「寝るって言うて」

「うん」

「その後着替えて」

「・・・自分で?」

「うん」

「(ホッ…)…で?」

「ベッドの上に寝転がった」

「うん」

「風邪、ひくからって言うて、きちんと寝かせた。そのときに、一緒に寝ていいか聞いたらいいって言うた」

「・・・・・(マジで?)」

「隣で寝とったら、寝にくそうやったから、腕、かした」

「・・・・・(朝の腕枕の理由はそれか)」

「・・・好きだって言うたら、私もって」

「・・・・へ?」

なんだかおかしな展開になってきた。
長い沈黙が2人を包んだ。



「・・・・・・付き合ってって言うたら、いいよって」

泉の言葉にめまいがした。

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