ラフ
本当にどうかしてるんじゃないかと思う。会ったばっかりで、その人ん家にお泊りして。
しかも。
付き合うことになってるとか。


どう考えたってありえんだろうさ・・・・


「マジ?」

引きつった表情で聞いてみる。苦笑いしながら泉が頷く。

「奈緒は嫌か?」

少し悲しそうな顔で聞いてくる。


そんな顔をしないで欲しい。
・・・泉のことは嫌いじゃない。(と思う)
それに、そんな顔をされたら、なんか私のほうが悪いような気がしてくる。
いや、実際に悪いか。。。


「だって、泉君はいいん?昨日知り合ったばっかりやで?」

聞き返すと、泉は少し照れくさそうに顔を赤らめながらこくん、と頷いた。
そんな泉の顔を見ると、こっちが照れてくる。

「私のこと、なんも知らんわけやし、それに、いいとこなんてないし。可愛くもなければええやつでもないし」


あかん、なんかテンパってきた。


「後悔するで?泉君、めっちゃおもろいし、楽しい、その、かっこええし。私より絶対ええ人おるで?かまんの?」

「奈緒がいい」

真剣なまなざしで、一言、泉に言われた。


だめだ、ドキドキする。
こんなん、どーなん。ええんか?
ありかなしかでゆーたら絶対なしやろ。
明日香に何言われるかわかったもんやない。
笑われる。



でも。



「あ、ありがとう」

思わず言ってしまった。

「OKってこと?」

泉が目を輝かせながら聞いてくる。

「う・・・・うん」

多分、今の私は顔が真っ赤になっているに違いない。
のぼせたみたいに顔が熱い。

「やったー!!」

泉がぎゅっと抱きしめてきた。

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