ラフ
テレビ局に入り、控え室に向かった。
【たなからぼたもち】の張り紙をみつけ、ドアをノックし、中に入った。

カコカコっと携帯をいじっている堺の姿があった。

「よ、おつかれさん」

中に入ってドアを閉める。そばにおいてあった椅子に座って、荷物を置いた。

「昨日はどうやった?」

堺に聞かれて、思わず顔がにやけた。

「・・・何があった?」

はっと我に返り、顔を作る。
絶対に変な顔をしてた。

「・・・で、何があったのかな?か・な・め・くぅ~ん??」

目の前においてあった椅子に移って、泉の顔を覗き込んできた。

「う・・・」

面白いおもちゃを発見したと言わんばかりに、ニヤニヤと笑った堺の顔があった。こうなった堺はしつこい。

「はぁ・・・。奈緒と付き合うことになった」

「ええぇ!?」

「声がでかい!」

し!と指を立てて堺を制止する。堺に成り行きを説明するように言われた。奈緒に説明した通りに言った。夜にした出来事は伏せて。すると、堺がじっとこっちを見る。

「ほんまか?」

「・・・何が」

「ほんまにそうなんか?」

堺に言われて、言葉に詰まる。

「・・・でもさ、ええのか?そんな子で」

言っている意味が分からず、もう一度聞いた。

「どういう意味や」

言いにくそうに堺が口を開いた。

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