ラフ
「えー、なんでなんでー??そうそう、たなからぼたもちもくんねん」

「え?」

「たなからぼたもち。知ってるやろ?あいつらもくんねん」

泉が言ってた先輩ってこの人のことか。
なんだか泉が可哀相になってきた。

「今日は合コンやし、君もこーへん?」

「合コン??」
(飲み会じゃなかったんか)

「そうそう、俺は君とご飯食べたいな~」

高松に言われて、深いため息が出た。

「行きません」

「えー!?あいつらでもあかんのや・・・なんでなんで??」

「なんでって・・・私、高松さんのこと知らないし」

面倒くさそうに言うと、高松がばん!と顔の横に手をついてきた。

「じゃさ、今から知れば問題ないやろ?」

は?と思った瞬間だった。
一瞬、何が起こったのか、判断がつかなかった。脳が考えることをやめたンだってことは分かった。高松の顔が目の前にあり、気づけばキスをされていた。

「これでどう?もっと、俺のこと知ってや」

ぱん!といい音が響き渡った。
涙が溢れてきた。
信じらんない。
信じらんない。
信じらんない!

その場を走って逃げ出した。
後ろで声がしていた気がしたが、そんなことは関係なかった。
辛くてたまらなかった。

ただ、ごしごしと、口を拭っていた。
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