ラフ

「布団の場所なんてわかんないし、面倒じゃん。泉さんと一緒のお布団がいぃな♪」

可愛く愛が言ってくる。
彼女がいなかったら、あるいは、据え膳食わぬはなんとやら、と、一緒に寝ていたかもしれない。
が、今は奈緒がいる。
奈緒を裏切るようなことはしたくない。

「俺、1人じゃないと寝れないから」

冷たく断ると、愛がぷぅっと頬を膨らました。

「つめたーぃ、泉さん」

愛に文句を言われる。

「あーもう、分かった。じゃ、ここで寝たらいい。お休み」

そういって、泉は愛を部屋に残し、そのままリビングへと戻った。
リビングではみんなが格闘ゲームで対戦をしていた。
奈緒には一度も勝てなかったやつだ。

「･･･なな、俺もちょっと一回やらせてくれよ」

「あれ？泉さん寝るんじゃなかったんすか？」

言われて苦笑いを浮かべる。

「まぁまぁ、一回だけ」

なんとなく、奈緒に負けた悔しさが、こんなところでふつふつと復活してきたのだ。自分はそんなにも弱くはないはずだと、確認の意味も込めてコントローラーを貸してもらった。

八十場が鬼無に負けたので、八十場と交代して、鬼無と対戦した。

結果はノーダメージで瞬殺だった。

「すっげ、泉さんつえー！」

鬼無と対戦して、自分はやっぱり弱くないよなー。と、再度認識した。奈緒が強すぎるのだ。

暫くすると、愛も寝室から出てきて、ゲームに参加した。みんなでわいわいと、ゲームをやっているうちに時間は5時を過ぎていた。


さすがに限界だったのか、激しい睡魔に襲われた。リビングで、気づけば全員で雑魚寝状態だった。
そこから、深い眠りについた。