月と太陽
僕は・・・。桜が、好き・・・?
これに気付いてしまったら、もう後戻りは出来なかった。
とりあえず、桜を抱き上げ、僕は家路を急いだ。
本当は凄く桜が心配なはずなのに、僕は桜を抱いていられるこの時間がいつまでも続けばいいと思った。
5分くらいたったかな?
僕は自宅に無事到着。
2階に上がり、桜を、モノクロな自分の部屋のベットに寝かせ、1階に飲み物を取りに行った。

‘ガチャガチャ!ガチャ!ガチャ!’

嫌なガラスとガラスが擦り合う様な音。
僕は、音の聞こえた、1階の突き当たり、リビングへと向かった。
でも、そこは自分の家だと思えないようなものだった。
「星華!何やってんだっ!?」
僕は、無意識に叫んだ。
僕の目に映ったのは、怒り狂ったような表情の星華と、ひっくり返ったソファー、そして割れて粉々のガラス窓だった。
他にも、服がばら撒かれていたり、とにかくめちゃめちゃな状態だった。
「うるさい!うるさいうるさい!星夜は黙ってて!どぉせうちのことなんか何にも知らないんでしょ!」
星華は、奥にあるテレビに背を向け、入り口に立ち尽くしている僕に、怒鳴りはなった。
たぶんこれは、桜の言っていた‘サイテー’と何か関係がある。
僕は1度冷静になり、星華に話しを聞くことにした。
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