月と太陽
‘流音’。

それは、5年間星華と付き合っている、星華の彼氏。
いつも前髪で半分目を隠して、後ろの髪を小さく縛っていて、クリーム色の髪に白い肌。
しっかり系?可愛い系?
とりあえずほんわかしてて、あんまり問題を起こさなそうな、僕の幼馴染でもある男。
でも、『逢えない』?
喧嘩でもしたのか?
ううん。流音は喧嘩するような奴じゃない。
それに星華を愛してたはず・・・・。
とりあえず僕は、星華に話を聞きたいという、意思もあったから悩むのを止め、話を聞くことを優先した。
まず、僕を落ち着かせて・・・・。
「星華。ゆっくり話がしたいよ。落ち着いてくれないかな?」
ゆっくりと星華に歩み寄り声をかける。
未だに小さな両手で、顔を覆い、しゃくり返す星華。
少しずつ足を引いている性か、星華の足は、テレビボックスの下に踵をぶつけ、‘ドンッ’という、痛くも虚しい物音を絶てる。
その先に続く言葉。
「来ないで!!元はといえば、星夜の性なんだから!」
ガタガタと振るえる星華の肩。
大きく叫んだ星華の言葉は、僕の中で、グルグルと出口のない迷路をさ迷っていた。
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