月と太陽
第1章 君と

〇出会い〇

まただ。
僕には、何故か女の子が集まる。僕を見て、キャーキャーワァーワァー騒ぎ出す。
もちろん男友達もたくさんいる。でも、女友達の方が多いのかもしれない。
ただそれを、幸せに思うか、不幸に思うか。
それは、人の自由だと僕は思う。でも、世間で言うと、僕は幸せ者らしい。
僕的には、そこまで幸せじゃない。
だって、どこにいるにも、誰か付いてきて。
何をするにも、興味を持たれて。贅沢かもしれないけど、ぶっちゃけすげー迷惑。
あと、僕にはいつも見ている女の子がいる。

‘星華院 桜’。

小学校も、クラスも。
桜は、小学校6年生の時、引っ越して来たから、3年間、ずっと一緒なのに、喋ったことがない。
同い年の女の子。
なんかいつも寂しそうで。
でも、どこか力強そうで。
だけど、何故か人っ気1つない場所で、涙を流す。
とても澄んでいる涙を。
僕。櫻宮 星夜は、先生にも、友達にも、親にも、親戚にも。
みんなに、「太陽みたいな人」と言われる。
でも、いつも自分の席で、1人で何かをしている。
多分友達もいないであろう、星華院さんはきっと・・・・・。
「月」。
重なることのないこの2つの者達。
僕達はまるで、「月と太陽」のようだった。
月食や日食の起こる、50年~100年に1度の奇跡。
僕達は、これから。
思いもよらぬ、人生を送ることになるだろう。
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