月と太陽

そしたら、驚くことに、そこには星華院さんの姿があった。
飛行機の音をうるさそうにしながら、こっちに歩いてくる。
僕の胸の高まりは止まらず、わざとぶつかって話しかけることにした。
僕は下を向いてそのまま前進。

‘ドンッ！’

肩と肩のぶつかる、鈍い音が響く。
「いっ・・・・たぁー・・・・」
先に声を出したのは星華院さん。
僕は次に出す言葉・・・・・。
「痛ってーんだよ！」

‘ごめんね’

を言おうとしたのに・・・・。
やってしまった。
どう見ても、こっちからぶつかったのに。
星華院さんも・・・・。
何怒ってんだよって顔してる。
「すいませんね。」
星華院さん。声完全に怒ってるよ。
たぶん、僕への印象は、‘嫌な奴’になったろうな。
でも、それでも懲りない、ガキな僕はどこまでも素直じゃなくて、いつも女の子・・・・・いや。いつも学校での作った本当の僕じゃない僕で・・・・話しかけた。
「よぉ～く見たら可愛いやん♪名前何ちゅ～う？？」
なんか、今考えると、「ナンパかいっ！」ってツッコミたくなる会話？だった。
きっと、星華院さんのことだから、シカトして、行っちゃうんだろうな。
まぁ、名前知ってるけどさぁ。
「星華院　桜やけどなんやねんあんた？」
えっ。