月と太陽
「じゃね♪ばいばい。」
桜は僕に別れを告げ、教室に戻っていった。
丁度5分休み。
きっと桜はまた、屋上に来て4時間目をサボる。
でも、桜は担任に怒られて、それを覗き見してた僕に怒って、4時間目の授業に、入学して以来初出席した。
そんな桜を見て、みんなが石になる。
口々に発せられている言葉。

‘今日は何の日だ?’

‘なんかあるんじゃないのか?’

‘ついに呪いをかけに来たか!?’

そんな言葉をうるさそうに、スキルを前にして、答えに迷っている桜は、可愛くて仕方なかった。
『桜に友達を紹介したら、きっといらないって言うだろうな』
こんなことを思いながらも、僕はこれを実現することにした。

~キーンコーンカーンコーン・・・・・~

帰りのチャイムが鳴った。
ここから、作戦開始。
桜は何も入れない鞄を手に持ち、教室を出ようとする。
「さーくーらぁーちゃぁーん!」
僕は大声で、廊下側の窓に腰をかけ、教室を出ようとする、桜に声をかけた。
桜はこちらを振り向き1つため息を落とすと。
頬を膨らませ、嫌味のように僕を睨みつけた。
「星夜なんなん??」
たぶん、桜が怒ってるのは、僕と僕を囲む周りの女の子達。
僕はさっき、手当たりしだいの女の子20人ほどに、協力を依頼した。
『桜の友達になってくれないか?』って。
そしたら、みんな付いてきてくれた。
でも、さっきからずっと『星夜ぁ~』って声に女の叫び声でよく桜の声が聞こえない。
きっと桜も僕の声が聞こえないだろう。
「怒んなや。桜ちゃん、友達いなさそうだから、俺の連れ持ってきたんや。好きなのとり~♪」
だから僕はこんな格好付けたことも言ってみたりした。
でも、桜はやっぱりこっちの女の子は気に入らない様子。
その時桜の表情が一変した。
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