だからキスして。
彼女は少し諦めて言った。
それから、気をそらす為に話題を変えようとした。

「こういう時は遊んだりして少しの時間でもいいから忘れようよ!ねぇ、ドクターとの合コンがあるけど来る?」

「えぇー?合コン?」

「まだ人数とか決まってないんだけど、今週末よ」

「うーん…」

あからさまに断ると、松田ちゃんに悪い気がした。

あたし…合コンって苦手。

と言うか、実は知らない男の人って怖い。だから話せないし、お互いにつまらない事になるから

できれば参加したくない方向。

それに…実はフリーじゃなくなったし。

だから一応は悩むフリをして、何とか断った。

「やっぱりやめておく」

「えっ、なんでよ?彼氏いなかったよね?もしかして…彼氏できたとか?!」

ドキッとしながら、あたしは思わず…
わりと正直に答えた。…と、思う。

「うーん…一応…好きな人がいるし…」

「マジかー?!もう付き合ってんの?」

「一応…………うん」

歯切れ悪い返事は、付き合ってると言うにはちょっと微妙な関係だったから。

『付き合って』
と言われて
『いいよ』

と答えたものの…本当に付き合ってるのかどうかよくわからなかった。
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