だからキスして。
「彼女…ホントにあたしが彼女でいいの?」

まだ夢を見てるみたいで、ミナに聞き返した。

「真希のこと好きだから思いきって『付き合って』って言ったの。ミナのこと嫌だった?」

「あたしも好きだったの。でも…まだ夢見てるみたいで、信じられなくて────あ、あたしこういうの初めてだから…よく分かんなくて」

「よかった。全然連絡くれなくなっちゃったから嫌われたのかと思ってた」

「ご、ごめんね」

「ううん、いいの。だからね、真希にはミナの全部を見せたい。迷惑かなぁ…」

ちょっと泣きそうな顔であたしを見てるミナ。
彼女が何を不安に思っているのかは痛いくらいに知っている。

全てが初めての体験だったけど、ミナと付き合うって決めた時から心の準備は出来ていた。

「あたしミナの彼女だもん。

ミナの全てを知りたいって思ってるよ」

ミナの不安を消したくて、冷静に答えた。
ミナの手が微かに震えているのも知っていたあたしは彼女の手を強く握る。

「真希…大好き」

ミナは気丈に振る舞い、あたしに微笑むと
服を脱ぎ始めた。

「多分ね、ビックリすると思うんだぁ…お願いだから…嫌わないでね…」
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