だからキスして。
「終わりまで…ですか?」

部活って…陸上部。外か―…

若干、嫌そうな顔をしてしまったのを鍋島先生に気づかれた。

先生は慌てて言い直した。

「あっ、でもグランドで見てなくていいですよ!
ただ、オレ他の子も見てなきゃならないんで部活してるのが見える教室で見ててもらえれば…」

「ああ、それなら」

今日は日差しが強いんだもん。
外で見てるのはツラいなって正直思って。

仕事だから残るのは構わないんだけどね。

「陸上部が部活してるのが見えるトコだと…美術室かな」

「じゃ私、白石先生にお願いして美術室で見てますね」

「すいません、どうもありがとう」

鍋島先生が素敵な笑顔を見せて保健室を出ていった。

鍋島先生もモテるし、素敵なんだけどなー

すでに結婚してる人だから。その時点で、私の中では対象外の人になった。

はぁ…
やっぱり出会いがないわ。

私は今日最後の授業が終わった頃に美術準備室へ行き、美術教師の白石先生に話しをした。

「先生、そんなわけで美術部も部活中だと思うんですがお邪魔しても…」

「あら!ちょうどよかったわ。今日は美術部休みだから、誰も居ないのよ。帰る時に声かけてもらえればいいわ」
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