だからキスして。
でもバレない自信があった。

給料をつぎ込んで、違和感のないそれなりの値段のものを使用してるし

さっきみたいにピンチが訪れても、上手くかわしていたじゃん。

そーだよ、そーだよ…

彼女とえっちしてたってバレてないんだから、生徒なんかにバレるもんか。



気を取り直して、俺は陸上部を見に行った。

うん?風が出てきたな…

そういう時は帽子。
何があっても上手にかわす。それが俺!





学校(仕事)が終わり、帰ろうと思った時にメールが届いてる事に気づいた。

俺の彼女。
『舞菜(まいな)』


《今日は会える?》

ハイハイ、会えますよー。

俺は彼女に電話しながら駐車場に向かった。

『もしもし?滉一(こういち)?』

「うん。時間あるよ。今仕事終わった所だし。俺んち来る?」




'うん、行くー'


なんて可愛い答えを、俺は想像し期待していた。

だけど舞菜は違った。しばらく黙ったかと思ったら、突然声のトーンを下げてきた。

『…ハァ!?』

「…えっ、ダメ?」

『滉一がウチに来るんじゃなきゃ会わないって前から言ってるでしょ!!

何?文句あるの?!』





「…ないです…」
< 74 / 110 >

この作品をシェア

pagetop