だからキスして。
肉眼でこんなに星を見たのは初めてだった。

「スゴい…」

息を飲むくらい綺麗。

子供の頃に見たプラネタリウムとは違う。
もっと広くて深い空に言葉も出なかった。

涙が出るくらいに感動してる…

「里佳?」

「綺麗だね…言葉がそれしか出てこないよ」

「気に入ってもらえた?」

「うん!ありがとう」

知哉はあたしを後ろからギュッと抱きしめた。

「大好きだよ。ずっと一緒に居ようね」

知哉はポケットから小さな箱を取り出し、あたしに渡した。

「これ…」

「プレゼント♪開けてみなよ」

大きさ的に…中身の予想はできる。

でも、まさか。

ドキドキしながら箱を開けると、中に『指輪』のケース。

それを開けると、同じデザインで大きさの違う指輪が二つ入っていた。

「婚約指輪ってわけじゃないんだけど、ペアリングだよ」

「と、知哉ぁ…」

あたしは思わず泣いて知哉に抱きついた。

「ゴメンなー。コレを取りに行ってて遅刻したんだ」

「バカバカバカ!」

「何でさ?!」

「ビックリしたんだもん~!!こんなの突然すぎて…嬉しいよぉー」

「…ゴメンな。ゴメンって…」

知哉は困ったように謝り続けていた。
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