だからキスして。
「え?」

聞き間違いかと思った。最近は耳も遠くなったと思っていたし…

『あれっ、違いましたか?キスの依頼の電話だったんじゃ…』

「そ、それは本当にするのかね?本気で君はそんな仕事を…?」

『そうですけど…』

私は相手がちゃんと目的の相手だったと知ると、色々と質問していった。

「本当に一回一万円?」

『ハイ』

「年齢制限とかは?」

『ありません』

「私は今年70歳なんだが…それでも君は平気なのか?」

『平気です。ってよりは、お客は選びませんから。依頼を頂ければお受け致します』

彼女は私が不審がっているのに気づいたんだろう…聞く前に色々と話してくれた。

『あたしのオフィスに来ていただくか、お客様が指定する場所にお伺いします。秘密厳守。風俗みたいなものと思っていただいても構いませんが…

ご希望ならば、お客様に催眠術をかけて望みを再現します』

「さ、催眠術?」

『ハイ。ご希望通りにならなかった場合は返金しますが…今まで返金した事ないので大丈夫だと思いますよ』

少し不安だったが…彼女が丁寧に説明してくれた事、どうしても依頼したくて電話した事を考えて

私は彼女に仕事を依頼した。
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