純愛☆
出会い
遠い―――


―――


―――記憶―…






「名前は?」


「どこから来たん?」


あっという間に机の周りを囲まれた。


知らない女の子達が次々話しかけてくる。


父の仕事の関係で、
今日ここに転校してきた。
(そんなに珍しい?)

廊下にまでたくさん人が来ていて、みんなこっちを見ている…


(…早く先生来てよ)朝のホームルーム早く始まる事だけ祈る。



「転校生ってどいつ?!」

ガヤガヤする教室の中

緊張と不安で
ただうつ向いていた私が思わず、その声のする方向に目を向けた。




教室の入口…








大きな目の、爽やかな男の子が立っていた。
慌てて見にきたといった感じで――




初めて会ったような気がしない…


前から知っていた…と錯覚するような不思議な感覚に包まれる



小学3年生

幼きこの日から始まった人を愛しいと思う事…

淡い小さな感情



ゆっくりと
動き出しはじめた瞬間だった。



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