おぼろ雲

コーヒー

どこにでもある喫茶店
小蠅も飛び交う喫茶店

アイスコーヒーの酸味が 会話の淵に染み込んで
どんどん遠ざかる甘味

薄暗くて見えない か弱そうだった睫毛
いつの日かと信じたかった

水滴まみれのグラス
浮かぶ透明を ストローで掻き乱せば
強かな黒は 揺れながら混ざって

アイスコーヒーの苦味で どうにか時間を繋ぎ留めて
どんどん薄まる風味

まともに見れない 意地悪そうだった瞳
入り組んでいると信じたかった

どこにでもある喫茶店
路地裏たたずむ喫茶店
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