おぼろ雲

心地良い海水に溶けているのは
紛れもなく 優しさ
それぞれの時を重ねるごとに
少し離れて戻る度に
増していく濃度
きっと嘘はない潮水に 浮かんだむき出しの夢
気付いて傷んで荒んだ 愛は無垢な小魚につつかれて

もう上がれない 温い海には
澱んだ願望と 適わない希望

傷口から染みる優しさ
まだもう少し痛いほうが ずっといい

私はまだ抜け出せない
私はきっと抜け出さない

こんなにも濃い海にされたのだから
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