タンポポ
使い古した下足ロッカーから上靴を出し履き替える。
古いので、ボコボコに凹んで閉まりにくい。


いつもはココから渡り廊下を通れば教室はすぐだったのに、 新しい教室は階段を上って廊下の一番端にある。

なんとも面倒くさい。

教室に入ると、思った通り知らないメンツばかり。

だが、リュウはすぐにその雰囲気に馴染んだ。

そういうリュウをオレは心のどこかで尊敬していた。


3、4歩後ろでリュウが楽しそうに話しているのを見ていた。

正直言って、オレは人見知りするタイプでなかなか輪に入る事が出来ない。


1年の時もそうだった。

入学当初、リュウしか友達がいなかったオレは他の奴に話しかけることが出来なかった。

しかし、リュウはオレをその輪の中に自然と馴染ませてくれた。

気持ち良い位に。




すると、まだ馴染めてないオレ見て

『アキラ!こっちにこいよ☆』

と、言って腕を引く。

『コイツはアキラ。幼稚園からの幼なじみで、オレの親友だ!みんな仲良くしてやってくれ☆』

『…よ、よろしく。』

恥ずかしげに会釈する。


すると

『よろしくなっ!アキラ。っていうか、オマエのことは知ってるぜ。いつもリュウがアキラの事話してたからさ!』

少し照れていると

『ついでに、コイツ“M”だからイジってやってくれ。』

また余計なことを…
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