タンポポ
そう

その子は今朝見かけた女の子だったのだ。


何という偶然!

また胸がドキドキして来た。

なぜだか、体が暑くなっていく。


続けてコバセンが言う。

『彼女の名前は…』
すると、彼女が黒板に名前を書き始める。

『藤城 麗<フジシロ レイ>さんだ。みんなこれからよろしく頼むぞ。』

すると、藤城はにっこりと微笑んで無言でお辞儀する。

男子生徒は、美人の転入生に大ハシャギする。

だが、オレは彼女に見とれて言葉を発することが出来なかった。

周りの声すら聞こえないくらい見とれていた。


人生で初めて一目惚れをした瞬間だった。


『そしたら、藤城。Youの席は紅の隣だ!紅、頼むぞ。』


こんなベタな展開でいいんですか?

コバセン…アンタ良い先生だ。

こっちに近付いてくる。

心臓が口から出てきそうだった。


オレの隣の席に藤城が座る。

なんだかいい匂いがする。
女の子らしい可愛らしい匂い。

藤城がオレの方を見てお辞儀する。

『…よ、よろしく。オレの名前は…紅 亜稀羅…。』

勇気を振り絞って自己紹介できた。


すると、藤城は微笑んでもう一度お辞儀した。


手汗が尋常じゃないよ!

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