恋の一方通行


「何でだょ…」

拓は力尽きたように座り込む

『それはね…


拓を傷付けないためなんだよ?』

「何言ってんだょ?

俺はお前に突き放されてどれだけ傷ついたか…」

『ごめんね…




私の好きな人知ってるでしょ?』

「ぁあ…」

『その人にフラれてね…

そんなときに拓が優しくしてくれたら

私、拓を利用しちゃいそうで…




その気が無いのに

期待させるような態度して

大切な拓を傷付けちゃいそうで怖かった……』

ギュッ

「今だけこうさせて…」

拓が抱きしめてきた

『拓…?』

「俺、今スゲー嬉しい。」






< 172 / 238 >

この作品をシェア

pagetop