新撰組〜タイムスリップの恋〜
「誰だ。お前ら相当暇なんだな。しかも私は金なんぞもってないぞ?」

私は刀に手をかけ‥‥‥ようとした。
だが急いで出たため刀を持っていなかった。

「生意気な口を聞きやがって!!」

相手の浪士は私に切り掛かってきた。
あぁ‥‥死ぬのか‥‥
ギュッと目をつむり覚悟を決めた時‥‥‥


ーーーザシュッ

「うわぁぁぁ!!」

え?痛く‥‥ない‥‥
そっと目を開くと前には‥‥綺麗な黒髪が漆黒の闇の中に揺れている。
ハラハラと舞う桜が雪に見えた。少し震える唇を開いたのは私だった。

「土方‥‥‥?」

「あぁ‥‥怪我はないか‥?」

こちらを向いてはくれないが、心配してくれているのは嫌でもわかる。
一呼吸し私はまた口を開いた。

「何故此処に‥‥?」

「刀を‥‥忘れていたからな‥‥‥」

「あぁ‥‥すまない」

刀を受け取り腰にさすと、私は土方と一緒に頓所の中に入った。
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