魔女サマとペガサス
ああ、ほんと、こいつといたら疲れるわ。
げっそりしながら後ろにペガサスを従え台所へ向かう。
今さらだけど、これもどういう状況よ…。
「なに作るんです?」
「冷凍してたコロッケ温めるわ」
「…」
「なあに、文句あるなら食べないでよ」
言いながら、ちゃ、とどこからともなく杖を出す。
ペガサスが目を丸くし、不思議そうな顔をした。
それを放置して、台所一式に杖を向け一振りする。
「おおお!」
カチャカチャ、と動き出す調理器具や食器。
ペガサスは目をキラキラさせて一連の動きを見つめた。
なにがそんなに嬉しいんだか。
王子サマだってんならこれくらいの魔法、知ってそうなのに。