魔女サマとペガサス


ああ、ほんと、こいつといたら疲れるわ。

げっそりしながら後ろにペガサスを従え台所へ向かう。

今さらだけど、これもどういう状況よ…。


「なに作るんです?」

「冷凍してたコロッケ温めるわ」

「…」

「なあに、文句あるなら食べないでよ」


言いながら、ちゃ、とどこからともなく杖を出す。

ペガサスが目を丸くし、不思議そうな顔をした。

それを放置して、台所一式に杖を向け一振りする。


「おおお!」


カチャカチャ、と動き出す調理器具や食器。

ペガサスは目をキラキラさせて一連の動きを見つめた。

なにがそんなに嬉しいんだか。

王子サマだってんならこれくらいの魔法、知ってそうなのに。



< 19 / 33 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop