魔女サマとペガサス
すたこら歩いて赤いキノコの群生地まで向かう。
ペガサスはぶつぶつ言ってたけど落ち着いたらしく、今は森を観察しながら歩いてる。
キノコ一気にいっぱい収穫しちゃおうかな、めんどくさいから滅多に行かないし。
「ねえ、疲れたわ、背中乗せてよ」
「え! ど、どうぞどうぞ!! どうぞ是非こんな背中でよければ!!」
「…やっぱいいわ」
なんとなく気に食わなかったからやめた。
なんでそんなに嬉しそうなのよ、仮にも王子がいいのかそれで。
そうやって軽く言い合い(一方的)ながらもしばらく歩いていると、どこからかバサバサ、と聞きなれた羽音が聞こえた。
「あら、グルリット」
「わあ、フクロウさんですね! かわいいです」
差し出した腕にとまったグルリットは、ホー、と一声鳴いてからうさん臭そうにペガサスを見て、そして次にアタシを見た。
違うわよ、アタシが拾ったんじゃないんだから!!!
乗り込んできたんだから!!!