魔女サマとペガサス
「そういえば依頼された薬がまだだったわね…」
サラダにフォークを突き刺しながら一人ごちる。
魔女にもまあ仕事は入るわけで、アタシはよく魔法薬の調合を頼まれる。
もちろんこの塔には誰も入れない。
全部手紙のやり取りだ。
町の外れにここ専用のポストがあって、依頼者はそこに手紙を入れる。
あとはアタシのもう一匹の相棒、フクロウのグルリットがそれを届けてくれるのを待つだけ。
…でもグルリットってほら、フクロウだから。
フクロウって夜行性じゃない?
だから夜にしか届けてくれない。
しかもご褒美がほしくて真夜中なのに騒ぐ。
俺のお帰りだぜみたいな。
近所迷惑…あ、近所はいなかったわ。