魔法の戦士《bellator》
「貴女もちゃんと話してよ!

力になれるかも知れないじゃない。」


「話したら救ってくれますか?」

「ええ。

救ってあげるから、まずは話を…」

「じゃあ、

私が死ぬのを救ってください。」

タンッ、

その少女は屋上から跳んだ。

引力はその少女を地へと引き寄せる。


「何で…」


「そんなに言うなら、救ってやるよ!」

幸大が走り出す。

目の前には高くそびえるフェンス。


「天使、ラファエルの加護を受けし風の聖霊よ。


出でよ!

シーフ《風神》」

幸大が正面に手のひらを突き出すと白い魔方陣が現れた。


『ガォォォォォ!』

白い魔方陣から現れたのは白虎。

ガシャァンッ、

白虎は突進しフェンスを吹き飛ばす。


そして白虎は高速で<空中>を駆け降りた。


ゴウッ、

白虎が少女に触れた瞬間、白虎が消え、少女はその場に浮いた。


「大丈夫か?」

幸大が空中を降りてきた。

「私、浮いてる?

貴方も…浮いて…」

「俺は立ってるんだ。

さて、屋上に戻ろうぜ?」

「どうやって?」

「空中散歩ってやったことあるか?」

「え?」

「カエラム・アンブロ《空の歩行者》」


幸大は少女と手を繋ぎ、まるで階段を昇るかのように屋上へ戻ってきた。
< 15 / 131 >

この作品をシェア

pagetop