魔法の戦士《bellator》
「ただいま。」

幸大が委員長に言う。


「あんたね〜。」

「フェンス、直さなきゃな。


ヘス・ケテル《柵を一つ》」


ゴウッ、


フェンスが元通りになった。

「って言うか、幸大…あんた学園の生徒に見られたんじゃない?」

委員長が言う。


「んなわけないだろ?

さっき現れた白虎。

あいつは風の聖霊だぜ?」

「だから?」

委員長が言う。


「圭、風は見える?

空気は見える?


見えないでしょ?

そこにあるのに見えない。

風の聖霊の特徴よ。

召喚した者、聖霊の術を使われた者、そして召喚の瞬間を見たもの以外には普通は見えないわ。


あとは、私みたいな悪魔や彼みたいな魔法使いにも見えるわ。」

テナが言う。

「へぇ。」

「あの、誰と話してるんですか?」

少女が言う。

「気にするな。」

幸大が言う。

「貴方は何者なんですか?」

少女が言う。

「マギア・ベラトーラだ。」

「マギア?

ベラトーラ?」

「とにかく、魔法使いだ。」

「魔法使い…」

「さて、あんたのことを聞かせてくれないか?

名前、自殺の理由。

それから、スリーサイズとかも教えてくれたり…」

バシッ、

委員長に頭を叩かれた。

「あの、こいつ馬鹿でゴメンね?

名前と、自殺しようとした理由。

教えて?」

委員長が言う。
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