魔法の戦士《bellator》
翌日

駅前


「可鈴と会うの久し振りよね。」

委員長が言う。

「いや、まだ4月だし、別れてから一ヶ月も経ってないだろ。」

幸大が言う。

「その可鈴って誰なの?」

テナが言う。

「前に話しただろ?

俺たちはいつも3人だったって。

その3人目が姫だ。」

「姫?

可鈴じゃないの?」

テナが言う。

「ニックネームよ。

幸大はそっちのほうが呼びやすいんだって。」

委員長が言う。

「ニックネームの由来は?」

テナが言う。

「姫の本名は

皇子(おうじ)可鈴って言うから

皇子→王子

んで、女だから姫。」

「ちょっと無理じゃないかしら?

ねぇ、圭。」

委員長が黙る。

「ちなみに、このニックネームは委員長がつけた。

皇子を本気で王子と書くんだと思ってたらしくてな…」


駅に電車が入ってきた。

「あれなの?」

委員長が言う。

「多分な。」

「ねぇ…」

委員長が言う。

「ん?」

「可鈴には話さないの?

魔法とか鬼とかのこと…」


「どうすっかな…

俺は姫も委員長も巻き込みたくなかったから自分からは言わなかったけど…」

「あ、人が降りてきたわよ?」

テナが言う。
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