魔法の戦士《bellator》
「やるねぇ…

長引くと厄介だから、すぐに終わらせるよ。」

「退魔師に挑んで生き残った悪魔はいないのを知らんのか?」


バサッ、

テナに翼が生えた。

飛び上がる。

そして…

「魔爪!」

テナが突き出した右手の爪が伸びた。


「消えろ!」

如月は槍を投げた。


テナの爪は槍を避けて如月に向かう。


「テナ、避けて!」

委員長が言う。

「無駄だ。

あの槍は追尾できる。

いや、正確にはテナに引き付けられてる。

磁石みたいにな。」

幸大が言う。

「幸大!

お願い、何とかして!!

テナが…」




槍がテナに、爪が如月に近づいた時…


「イグニス《火焔》」


ボウッ、

札で構成された槍は黒い燃えカスに変わった。


「な!?」

如月に爪が…

「クリピウス《盾》」

ガキンッ、

如月の目の前に魔方陣が現れ、爪をガードした。

「チッ…」

シュッ、

テナが爪を戻す。

スタッ、

降り立ったテナは女性の姿になっていた。

「何だ?

今のは…」

如月が驚く。


「なぜ、邪魔したのかしら?」

テナが幸大に言う。

「俺はどうでも良かったんだけどさ…

委員長の頼みだからな。」
< 44 / 131 >

この作品をシェア

pagetop