魔法の戦士《bellator》

足手まとい

ある日


幸大は翡翠の父、皇に呼ばれていた。


「何か用事ですか？」

幸大が言う。

「これを見てくれないか？」

皇は数枚の写真を見せる。


どれも同じ家を違う角度から写したモノ。

「大きな家というか、豪邸ですね。

これがどうかしたんですか？」

「妖怪の住み処なのだ。

元々の家主はこの家を建てる前に妖怪にとり憑かれていたそうだ。


そして、世界中から妖怪に関連するモノや曰く付きの品を集めていたそうだ。

さらに、この家を建てる前は墓地だったそうだ。

その前は自殺の名所。


とにかく、この家は悪霊や妖怪の楽園とも言える。」


「それで？」

「実はな、この町の住人はこの家を壊そうと役所に申請した。

誰も住んでない屋敷だからな。」

「え？

とり憑かれていた人は？」


「亡くなった。

その者が死んだ夜、町の住人全員がその者の断末魔を聞いたそうだ。



話を戻すが、


この家を壊すため役所が動き、

業者が重機を運んだ時のことだ。

いざ、壊そうとした時に重機が壊れた。」


皇はお茶を飲み、息を吐いた。

「君の力を見込んで、

翡翠とともにここに赴き、除霊を頼みたい。」