魔法の戦士《bellator》
屋敷周辺


「あんな重機が入ったはずの庭。

重機の後は愚か、綺麗に花が咲いてるな。」

幸大が言う。

「ああ。

これは屋敷どころか、ここ周辺。

庭も…」

翡翠が言う。

「邪気の強さから見て、話し合いなんか無理だな。」

幸大が言う。

「元からそのつもりはない。

私も今回は成仏ではなく滅却以外は考えていなかった。


そもそも、お前は成仏や浄化などできないんだろう?」


「まぁな。」


「下見など無駄だな。


車に戻ろう。」

翡翠が踵を返した瞬間…

「うわっ!?」


ドサッ、

翡翠が転ぶ。

「…ドジッ子?」

幸大が言う。

「んなわけあるか!

足に草が…」

翡翠の足に庭の草が絡まっていた。

ヒュッ、

何かが飛んでくる。

「クリピウス《盾》」

魔方陣の盾が現れた。

キンッ、

弾かれたのは

「ナイフ!?」

翡翠が言う。


ブワッ、

真横の両方向から樹の根が槍の様に襲ってくる。

「チッ!

オブヴィウス《迎え撃つ》」


ガキキンッ、

幸大を通過する魔方陣が変身と同時に樹の根の槍を弾いた。


「イグニス《火焔》」

ボッ、

翡翠の足に絡まっていた草を焼き切った。
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