魔法の戦士《bellator》
「力の弱くなる真っ昼間からこれだけの攻撃…

もしかして、予想以上の大物がいるみたいだ。」

幸大が言う。

「真っ昼間からなど…


まさか…」

翡翠が震えながら幸大を見る。


ザァッ、

風が起こる。

「風が吹いたみたいだが、こちらまで来てない…

マズイ!!」

翡翠が叫んだ瞬間…


ゴヒュッ、


巨大な岩が高速で飛んできた。


が、それは二人の頭上を通過した。


「狙いは車か!?

翡翠、戻るぞ!!」


「しかし…」

「捕まれ!

天使ラファエルの加護を受けし聖霊よ!!


シーフ《風神》」


ゴウッ、

幸大の足元から現れると同時に幸大たちを乗せ高速で走り出す。

「翡翠、槍で貫けるか?」

「無理だな。

あの岩自体は何の力も持たない。

追尾はできん!

お前こそ、雷の弓矢は!?」


「あれは貫通する。

岩を壊せばその先の車が…」


「くっ!

私の鞄の中の護符も物理的なモノには無意味だ…」



徐々に岩に近づいた。


「この距離なら…

ディレオ《破壊》」

ドウッ、

幸大の掌から光弾が放たれた。


ゴウッ、

バチィンッ、


岩が風に包まれて弾かれた。

「攻撃が効かない!?」


車までの距離はわずか。

「くそっ!」
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