魔法の戦士《bellator》
バゴォンッ、

屋敷の外、庭から幸大が翡翠を抱えて飛び出した。


「ん?

ここは?」

翡翠が目を覚ました。


「無事か?

ここは屋敷の外だ。」


幸大が言う。

「…。

役に立てなかった。

すまないな。」


「いや、やる気が湧いてきた。」

「ん?」

「巫女服の上って水がかかると透けるんだな。」

「な!?」


バッ、

翡翠が胸を隠す。

「お前!!

しかもなぜ水を…」

「熱中症防止だ。


まさか、下着を着けてないとはな。」

「黙れ!」


ボゴッ、

地面が盛り上がり幸大たちを閉じ込めた。


「しまった!?

くっ!

敵が土地神なら土地神の領域から出なければ…」

翡翠が悔やむ。


「そうでもないぜ?」


ゴポッ、

ジュゥゥゥゥゥ、

ゴポッ、ゴポゴポッ、


ドロッ、

ジュゥゥゥゥゥ、

幸大たちを閉じ込めた地面が赤くなり、沸騰し、熔け出した。


「翡翠、離れたら熔けるぞ。」


ジュゥゥゥゥゥ、

地面が全て熔岩に変わり、流れた。


「翡翠、何があっても離れるなよ?

離れたら焼け死ぬからな?」


「今の光景を見たらそのくらい解る。」



『オオオォォォォ!』


バゴンッ、


地面から何かが現れた。
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