魔法の戦士《bellator》
「ゴーレムだな。」


土でできた大きなゴーレム。

「あ…

屋敷が…」

翡翠が言う。


屋敷は炭になっていった。


「庭の草木もだな。」

全てが炭になった。



「あのゴーレム…

中にどれほどの悪霊が!?」

翡翠が言う。


「数なんか関係ない。

取り合えず、全員まとめて倒す。」


「そう言えば幸大、お前の服、いつの間に赤になったんだ?」

「お前が気絶中だ。

とにかく、この服に触れてりゃあいつの熱にも、俺の熱にもダメージを受けねぇから、しっかり捕まってな。」


『オオオォォォォ』

ゴーレムが殴りかかる。

「カエラム・アンブロ《空の歩行者》」


ゴーレムの拳を避けた。

「幸大、私を抱き抱えたままだと戦えないだろう?」

翡翠が言う。

「戦えないことはないが…

お前を下ろすためには一旦元の姿にならなけりゃいけない。


だが、ここら辺はすでに高熱に包まれてる。

周囲の草木が一瞬で燃えカスになるほどの高熱。

離れたら焼け死ぬ。

元の姿になれば俺もな。」

「そう言う意味ではない!!


そのまま動くなよ!!」





「よし、これでいい!!」

翡翠は幸大の背中にしがみついた。

「おんぶかよ…」

「これなら私の力だけでいい。

お前は…」

「ああ。

さっさと倒さないと…

背中に当たってる胸が気になって仕方ないからな。」

「な!?」
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