魔法の戦士《bellator》
「翡翠、あの槍で止めをさす。

準備をしろ。」

「…離れても大丈夫なのか?」


「いや、土地から離れても、熱は奴の体が発している。

再生をできなくしただけだ。」

「なら、槍は…」

「良いから。」

翡翠が幸大の服を掴んだまま地面に降りた。


ぎゅっ。

幸大が翡翠の手を握った。

「服じゃなくても、俺に触れてれば問題はない。」



「あ、ああ。」


ゴウッ、

翡翠が槍を構えた。

「ん?

しかし、私が槍を投げれば燃えてしまうじゃないか。

今は槍を持った私がお前に触れているから平気だが…」


「デヴォヴィオ・イグニス・ラピオ《火を奪う魔法をかけよう》」

ゴウッ、

槍に魔法をかける。


「翡翠、いけ!」


「…ああ。


貫け!」

ブンッ、

槍を魔方陣に目掛けて殴る。


ボウッ、

槍に火がつく。

そして…


ギュルルルル、


「な!?

炎が渦を巻いて…槍を包んだ!?」

「プロカーサス《突撃》」

槍の軌道上に魔方陣が現れた。


ヴゥンッ、

それを通過する。

ドヒュンッ、

槍の速度が上がった。


バシュンッ、


槍がゴーレムを貫いた。

『オオオォォォォ』

「…。

エクスティングォ《殺す》」


ドゴォンッ、


ゴーレムは爆発した。
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