魔法の戦士《bellator》
「おや?

悪魔が見当たらんが?」

翡翠が言う。

「テナはどっかで遊んでくるって。」

圭が言う。

「それよりも、翡翠さんは携帯をお買いになりましたの?」

可鈴が言う。

「うむ。

しかし、充電しないと使えないらしいからな。」

「だったら駅前のファーストフードのお店に行きませんか?


あそこ、お金を入れて携帯の充電ができる機械がありますよ?」


「翡翠、どうする?」


「そろそろ昼時。

良いと思うぞ。」



「もちろん、幸大の奢りよね?」

圭が言う。

「はい?」

「男なら当然ですの。」

可鈴が言う。

「前言撤回。

おとなしく帰宅を提案します。」

幸大が言う。

「幸大…。

男に二言があるのか?」

翡翠が言う。

「…。

ねぇよ。」


「さ、ダーリン。

行きましょ!」

「ちょっと!

何さりげなく手を繋いでんのよ!」

「圭も繋ぐか?」

幸大がもう片方の手を差し出す。

「い、いらないわよ!!」

「なら私が繋ぎますの。」

可鈴が握る。

「幸大…もう一本くらい手は生やせないのか?」

「翡翠、頭がおかしくなったか?」

「冗談だ。

半分はな。」
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