魔法の戦士《bellator》
「そうか。

圭はテナがいつもそばにいるから耐性ができてるのか。」

幸大が言う。

「私や幸大は妖気などには何らかの対抗策を施しているから害はないが…。


悪魔などと契約した場合はもっと強い耐性ができると聞いたが…」


「それよりも、被害が広がる前にぶっ倒して可鈴と奈々を救ってくる。


翡翠は圭を頼む。」

「わかった。」


「人ごみを泳ぐのは時間がかかるからな…

カエラム・アンブロ《空の歩行者》」


幸大が空を駆け抜け、野外ステージに着地した。


「よぉ。

大層なことしてんじゃねぇか。」

幸大が言うと音楽が止まった。


『あれ?

ステージに飛び入り?』


金髪の男が言う。


「観客に何をしたか知らんが、そろそろ終わりにしようぜ?」

『あんた…

ベラトーラ?』

「さぁな?

これから死ぬのに…俺が誰かを知る必要はあるか?」

『死ぬのはあんただよ。』

バリッ、

金髪の男の手のひらから電気が出た。

「おっと!?

何しやがんだ!!」

『あんたも大人しく俺の奴隷になりなよ。

俺の歌声をワンフレーズでも聞けばこの観客みたいに従順な奴隷になれるよ?』


「…ワンフレーズ?

聞いた瞬間にこいつらは虚ろになるのか?」

『ああ。

俺の妖気は電気に近いからな。


神経ってのは電気信号が流れるんだろ?

だから操るのは簡単さ。』
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