朽ちる少女

俺は近所にある神社の階段の下で、仰向けになって倒れていたらしい。

それを見付けた彼女が、弟達と共に担いで帰ったとの事だった。

夢ならば、早く覚めて欲しい。

ここは、勤務先の老人ホームがある近くという事で間違いない。

昭和20年のだ!


愕然として途方に暮れる俺に、少女が話し掛けてくる。

「どうして、あんな場所で倒れていたんですか?」

「どうしてって…」

そんなもの、言ったところで信じてもらえるハズがない。というか、危険人物として警察に突き出されるかも知れない。

「えっと…まあ、色々と事情があってね」

「そうですか」


そんな事より、こんな見知らぬ時代に1人で、俺は一体どうすれば良いんだ!

どうすれば、元の世界に戻れるんだ?

 

< 100 / 116 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop