朽ちる少女
俺は近所にある神社の階段の下で、仰向けになって倒れていたらしい。
それを見付けた彼女が、弟達と共に担いで帰ったとの事だった。
夢ならば、早く覚めて欲しい。
ここは、勤務先の老人ホームがある近くという事で間違いない。
昭和20年のだ!
愕然として途方に暮れる俺に、少女が話し掛けてくる。
「どうして、あんな場所で倒れていたんですか?」
「どうしてって…」
そんなもの、言ったところで信じてもらえるハズがない。というか、危険人物として警察に突き出されるかも知れない。
「えっと…まあ、色々と事情があってね」
「そうですか」
そんな事より、こんな見知らぬ時代に1人で、俺は一体どうすれば良いんだ!
どうすれば、元の世界に戻れるんだ?