朽ちる少女
高校に入学して3ヵ月が過ぎた。学校にもすっかり馴れ、クラブ活動に明け暮れる日々を送っていた。その日、クラブの仲間とスポーツ用品店に行った僕は、普段は使う事がない道を通っていた。
懐かしい道。
高校とは方向が違うため通る事はないが、中学生の時は通学路だった。
「あ・・・・・」
思わず自転車のペダルを踏む足が止まる。
引っ越してきた日に見た少女が、全く同じ場所で川面を覗き込んでいた。
その姿をチラチラと横目で窺いながら、背後を通り過ぎる。