朽ちる少女
建物の中には何も無く、そのだだっ広い空間には窓から、所々穴が空いた壁や天井から光が射し込んでいる。
異様な臭い。
一体どこから…
内部を見渡すと、床には無数の黒い蓋。排水口の後だろうか。
真ん中よりも少し奥。左よりの場所に、何かがある。高さは50…30センチ程度だろうか。黒い何か。
俺はその方向に足を動かす。
さすがに気味が悪い。
何かあっても、この場所に助けなど来る筈がない。
距離は20メートル弱。
益々強くなる腐臭。
猫、いや犬の死体か?
その距離が5メートルを切った時、それが何なのか分かった。
頭だ。
人間の頭だ――