朽ちる少女
夏休みまで残り1週間、僕は一大決心をした。
毎日、欄干から川面を覗き込む少女に声を掛ける事にしたのだ。
それは、3年前の後悔からではない。
告白しようとしている訳ではない。
ただ、話しをしてみたかった。
あの人を彼女に重ねているのかも知れない。
どこかど断ち切らなければならない想いなのに・・・
そして、僕は1つの疑問を抱いている。
クラブ活動を終えた帰り道、僕はいつもの様に遠回りして川澄橋へと向かう。
やはり、今日も同じ場所にいる。
夕陽が反射してオレンジ色に輝く川面を、彼女が静かに眺めている。