朽ちる少女
チラつく蛍光灯に照らされた廊下を歩き、薄汚れたコンクリートの階段を一段とばしで下りる。歩道橋へと続く歩道に出た時には、いつの間にか小走りになっていた。
ここから歩道橋までは歩いて15分、走れば10分とかからない。
点在する街灯により縞模様のよう見えるガードレール。息を切らし、必死に先を急ぐ。
これではまるで、終電に乗り込時の様だ。
いるかいないか分からない、しかも見知らぬ少女に会うため全力で走っている。
「一体、何をやってるんだ?」
いきなり我に返り、自嘲気味に呟いて立ち止まる。
額から流れ落ちる汗を上着の袖口で拭おうとした時、街頭の向こう側に歩道橋が見えた。
そして、その真ん中に佇む人影も。