朽ちる少女
第5話 駐車場の少女
たとえば、路肩のアスファルトを突き破って咲くタンポポ。
いや、もっと言えば、電柱の陰で寄り添うテントウ虫。
意識と無意識の中間で、傍らに写る幻。
コンビニの駐車場。
出入口横の車止めに、今日も1人の少女が座っている。
肩より少し長めの黒髪。スッとしたストレートの髪は、漏れ落ちる店内の灯りでさえも光の輪を作っている。
夏服。少しグレーかかった半袖のブラウスに、スカートはブラックに濃いグレーのチェック柄。この辺りでは有名な進学校。
足は店の方向へ、真っ直ぐに投げ出されている。そのスラリと長い足は、軽くリズムをとっている様に見える。
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