朽ちる少女
前が見えない程の豪雨。
溝から泥水が溢れ、アスファルトの道路は川になっている。川がある方向からは、水の流れが地響きと共に聞こえる。
ザバザバと音を立て、スネまで水に浸かりながら全身する。
真っ暗だ。
何も見えない。
何も見えない。
足を動かす。
前へと足を。
進んでいるのか、遠ざかっているのかさえも分からない。
それでも、全力で進む。
やがて橋に辿り着く。
多分、その時には答えが決まっている。