朽ちる少女
第7話 朽ちる少女
5月の満員電車。
朝の通勤ラッシュ時に、路面電車に乗らなくてはならないとは…
くそっ!
前のオッサンが足踏みやがった。謝れよ。踏んだのが、分からないはずがないだろ!
イライラする。
何て歪んだ世界だ。
死んじゃえよ。
お前らなんか、生きている価値もない。
朝起きたら、通勤用にと有り金はたいて買ったスクーターが無くなっていた。
5万円を貸した親友は、その翌日から行方不明。
3年間付き合っていた彼女は、一次志望の企業に落とされた時に逃げられた。
腐った世界。
消えて無くなればいい。
生きている価値無し。