* 王子と契約彼女 *
* 王子の彼女
噂
―――‥‥
「ななー!早くっ早くっ!!」
「うんー待って〜!ゆ、優くんっ」
目の前には学校へ急ぐ優くんと、それを追い掛ける私。
まさかあの優くんと一緒に登校できるなんて‥!♪
昨日から晴れて優くんと付き合うことになった私(フリだけど‥)。
付き合うんだから、朝は一緒に登校して、名前も"先輩"から"優くん"と呼ぶことに。
「(ね、ねむい‥)」
例えフリといえど、なにもかもが急展開の連続に私はすでに混乱状態。
何度も何度も夢かと思って自分の頬っぺたをつねったし、夜だって一睡もできなかった。
それでも朝は来て、今こうして優くんと一緒に登校して‥‥
やっと夢じゃないと自覚できた私に今度はドキドキと、眠気が襲っていた。
「ほらっ、と」
「ひゃ?!優くん‥?!」
と、いきなり優くんにお姫様抱っこされ、私の眠気は一気に覚まされる。
「いくよーっ‥!」
そう言って優くんは私をお姫様抱っこしたまま学校へ走り出した。
「(////////も、ダメ‥///)」
ただでさえドキドキなのに、いきなり好きな人にお姫様抱っこなんてされたら‥
ドキドキはMAXで、もう心臓がはちきれそうで。
私は学校に着くまで、お姫様抱っこされたまま、目を丸くしながら意識を失っていた。